ちょっとした恋の瞬間
炭酸水・・

水。
そう、水。
私は水だった。
「だった」というよりも「だ」の方が正しいかもしれないけれど。
何も含まれてない水だけれど、たまにそれが色んな味や匂いに変わる瞬間があるの。
でも、その瞬間は一瞬で終わってしまう。
そしてまた元通りの水になる。



誰もいない教室の中で私はつっ立って黒板をじーっと見ていた。
「・・・穂っ!!沙穂ーっ!」
ユカが呼んでるみたいだけれど私は何も反応しなかった。
そーやって軽くユカを無視していると、ユカがいつもの手段を使ってきた。
「っあたたたっ!!!痛いし。」
「やーっと気付いた。だってこうでもしなきゃいつまでたっても夢から帰ってこないんだもん。」
「別に気付いてなかったわけじゃないよ。」
そういうと、ユカは「またか。」という顔をした。
「そのセリフ昨日も聞いたし。素直に気付いてなかった事を認めなさい。」
だから別に気付いてなかったわけじゃないって。半分は・・・。
こんなやりとりが面倒くさくなったので私は
「はいはい。すいませんでしたー。」
と一応、認めることにした。
「よろしい。それでは楽しい放課後をEnjoyしましょうか?」


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