みひつの天然色

唇が、異様に痛い。

反射的に涙で目が潤む。

あたしはあまりの痛みに、そのテーブルに突っ伏したまま、動けなった。

痛い痛い痛い。

じっとそれに耐えると、少しだけ、痛みがひいてゆく。

何とか顔を上げると、怖い顔でにらんでいたさっきの女の子が、急に、血相を変えて逃げ出した。

何事かと周りで見ていた人たちは、あたしから距離を取って沈黙している。

冷たいもんだな。

心細くなっていると、

「伽羅!?」

< 37 / 102 >

この作品をシェア

pagetop