みひつの天然色
え・・・と。

あたしは、とりあえず赤くなる。

そんな場合じゃないだろう。

思うのに、制御できない。

「鈴木さん。伽羅、いじめないでやって」

透夜が温和な声で言うと、鈴木はもっと逆上した。

「何よ、この、二股女!!」

二股とはつまり、唯一と透夜のことだな。

いやいや、どっちにも好かれてないから。

哀しいツッコミを、自分の中でする。

「唯一は博愛主義なんだから、伽羅のものになるわけないじゃん」

「はっ!?何よあくはいしゅぎって」

透夜は一瞬口をとざした。

いらぬ訂正をして、ますます怒らさないように、自分に言い聞かせたのだと思う。

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