時計塔
引っ越し先はかなりと遠いらしい。
私にとっては好都合の事だ。
話によると、近くに海があり、ヨーロッパ風な建物が近隣に広がっているおしゃれな街だという。
そして、その街のシンボルとしてひっそりと立っている時計塔があるらしい。
車を走らせて約4時間半がたつと青く広がる海が目の前に現れた。
なぜか、心が少し軽くなった気がした。
「お父さん海だよ海!」
と、飛鳥ははしゃいでいた。
久しぶりかも知れない。
私がこんなに落ち着ける気持ちになったのは。
海が見えたと同時に、高速道路の出口を出て国道を走り始める。
「お父さんまだつかないの?」
「んー?もうすぐ着くぞ」
そして、国道を走りはじめてから15分ほど経つと町みたいなところへ入って行った。