キミの隣に
 
それより
顔赤いって・・・


ガラスに写った
自分を見る。

よくわかんねぇ。


・・・わかった事は
通路を挟んだ空室で、
彼女がピアノを弾きながら
歌ってるということだった。


たどたどしく
コードを押さえ直す指
何度も、なにかを
数えてる。

キーでもとってんのかな。


「センセ、何してんの?
今日、変だよね。」

生温かい視線を送ってくる
生徒に、一つ咳ばらいをして
ごまかす。

「ばーか。
からかってんじゃねぇよ。
いつもどーりだよ。」


全くもって、普通じゃない。

この間からずっと。


こんなガキにまで
見破られてるなんて。

よっぽど・・・だよなぁ。



俺・・・



 




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