キミの隣に
「そういや、真月、
これ、ずっとしてるよな。
これも指輪の彼氏から?」

耳たぶのダイヤのピアスに、
指がそえられた。

「そうよ。
ダイヤをこよなく愛してるの
別れても
モノに罪はないじゃない?」

オトコに貰ったモノを、
別れて捨てる人もいるけど、
捨てたって、
何の整理にもならない。

私に至っては、
今も、彼を尊敬してるんだし、
忘れ去る必要がない。


かといって


次に踏み出す準備は


十分過ぎるほど


できてる。



だけど


・・・どうも


片思いっぽいんだよね。



「物欲主義者めっ。」

堂野センセが笑う。

視線は感じるのに
なにも言わないんだね。


センセは・・・


そういえば
『センセ』って、
よぶなっていったよね。


あんなの、万人に言ったら
勘違いされるよ?


恋愛感情と。


「あ。そういやさ。
鷹尾君と、ライブ
やんでしょ?」

鷹尾君の横顔を、チラ見して、
堂野センセはいう。

「俺も頼んでいい?」
って。

「もちろんっ♪
ご指名、お待ちしてます♪」



 

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