キミの隣に
 

真月と啓太達の
音合わせの日


何だか、そわそわして
気持ちがここになかった。

待ち切れないって感じか。


切れた弦を変えるため、
受付に予備をもらいに行く。

クラス案内の
ホワイトボードの前に、
教室を探す、見覚えのある
後ろ姿があった。

数年前は、こうやって
教室を探す彼女を
よく見かけていたんだ。


無言で、頭に手の平を載せた。


  「!!?!?」

声もなく固まりやがった。


「よっ。いつもの部屋だけど?
音合わせだろ?」


見たことのないビビりっぷりに
吹き出してしまった。

「?ずいぶん、早いな。
もしかして、俺に会いに来た?」


こんな機会、
めったにないんだから。


うろたえた顔がみたくて、
小声で囁いてやる。


「くっ・・・くやしいっ!!」

その意図が、わかってか、
彼女は、真っ赤な顔をして
拗ねて見せた。

 



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