ふたご王子に恋をした
「……前にも聞いたけど…やっぱり…アイツのこと好き、か…?」



デジャブだ…!
今あのときと同じことが2回も起きてる!


だけど…逃げないで、ちゃんと答えなきゃ…



でもなんて?


旭のこと、好きかどうかわかんないよ、わかんないけど陽のことも気になるんだ…って?


そんな中途半端な気持ち言っていいのかな…



「…旭のこと好きだから…落ち込んでんだろ。」



確かにそうだけど…

それだけじゃないよ…


理由は、旭だけじゃないよ…



「それは……っ…」



そこまで言いかけたがフッと唇の動きが止まった。理由はひとつ…陽の唇が重なっていたからだ。


陽は手だけじゃなく唇も冷たくて、ほのかに紅茶の味がした。



状況的におかしいのに、なんでだろう…


突き放すことも、
拒否することもなく、


赤い顔で、
高鳴る鼓動で、


自然と陽を受け入れている気がした。



数秒たって陽の唇が少しだけ熱をおびた頃、そっと離れた。


そして目線をそらしてつぶやいた。


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