いちばんの星
「さっさと消えろ…二度と俺の前に顔をだすなッ!」
ヴェルヌの声に男たちは小さく悲鳴を上げると、走り去るようにして店を後にした。
ヴェルヌはミュリエルに駆け寄るとそっと彼女を抱き起こし自分の上着をかけると、口元に巻かれた布を外した。
「もう…大丈夫だ…」
まるで壊れ物を扱うようにそっとミュリエルを抱きしめるヴェルヌ。
「ど…して、ここに…」
「ミュリエル…俺はお前を愛してる。何があっても」
ミュリエルの言葉を遮るように言うと、ヴェルヌは体を離しミュリエルの頬に伝う涙をそっと指でふいた…
「ミュリエル…前に一度言った事を覚えてるか?」
ミュリエルの唇をなぞるように指を這わせながら、ヴェルヌは言葉を続けた。