いちばんの星
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「どういう事?なんであの新入りばっかりヴェルヌ様に呼ばれるのよっ!」
そう言って美しい顔を歪めているのはエミリアだ。
最近全く夜の呼び出しが来ないと思っていたら、新入りが毎日のようにヴェルヌの元へ通っているというではないか。
エミリアは、美しい国王ヴェルヌと共に過ごすことを楽しみにしていた。
もしかしたら、ヴェルヌに淡い恋心を抱いているのかもしれない。
なんにしろ、ヴェルヌに抱かれない日々が苦痛だった。
「でもその新入りは、かなりの美女だって聞きましたよ」
そう他の使用人に言われ、エミリアはミュリエルの顔を思い起こした。
確かに美しい女性だった。だが今までも美しい女性はいた。
それでもヴェルヌが2日以上同じ使用人を呼んだ事は一度もなかったのだ。
「新入りのくせにヴェルヌ様に取り入ったなんて…冗談じゃないわ!」
少し腕を組んで何か考えるとエミリアはニヤリと笑った。
「新入りには…使用人の厳しさを教えてあげなくちゃね…」
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その日の夜中、いつものようにミュリエルがヴェルヌの元から自分の部屋へ戻ると、ドアの前にエミリアが立っていた。
「お帰りミュリエル。今度から部屋に門限をつける事にしたの。だから遅れたあなたは部屋へは入れないわ」
「え…どうしてそんな…」
「毛布をあげるから外の食料庫辺りで寝てちょうだい」
そういうとエミリアはさっさと行ってしまった。