いちばんの星


―――――


「失礼します…」



ミュリエルが部屋へ入るとソファーにはヴェルヌが座っていた。



「ここへ」



そう言われたミュリエルはゆっくりヴェルヌの元へ近づく…



――その時。



「きゃッ」



突然ヴェルヌに腕を掴まれたミュリエルは、そのままヴェルヌの腕の中へ倒れ込んだ。


「こっ…国王さま…」

「悪かった…」



ミュリエルの体をキツく抱き締めると、ヴェルヌはゆっくりと話し始めた。



「俺のせいで…お前を苦しめた。本当にすまない…」



守ろうと思って突き放した。



しかし、そのことが逆にミュリエルを傷つけてしまった。





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