いちばんの星
――俺は、ひとりの女の守り方さえ知らなかったんだ。
そんなヴェルヌの言葉を、ミュリエルはヴェルヌの腕の中でじっと聞いていた。
「自分がわからなかった…お前に惹かれていってる自分が…でも…もう離さない…」
ミュリエルを抱き締める腕の力が緩んだと思うと、ヴェルヌの指がミュリエルの顎をぐいと持ち上げた。
「ミュリエル…俺はお前に惚れてるらしい」
そう言って少し照れたように笑うヴェルヌに、ミュリエルは涙が止まらなかった。
「私、もっ…んっ」
それ以上ミュリエルは言葉を発する事ができなかった。
ミュリエルの唇はヴェルヌによって塞がれた。
二度目となるヴェルヌとの口づけ…
一度目は、悲しい別れの口づけだった。
しかし今回は、愛に溢れた優しい優しい口づけだった…
ヴェルヌはそのままミュリエルの体を抱き上げると、そっとベッドに寝かせた。
そして、ミュリエルに覆い被さるようにミュリエルを抱きしめた。
「国王さま…」