いちばんの星


スティークがこれからの事をヴェルヌに尋ねようと口を開きかけた時、ドアのノックの音が響いた。



「入れ」

「失礼します」



部屋へ入ってきたのはリヴィアだった。



「ヴェルヌ様…お話があって参りました」



リヴィアの言葉に、ヴェルヌはスティークの方をちらりと見ると、

「では私はこれで…」

とスティークが部屋を出ようと扉へ向かった。



(大丈夫か…?)



そう思いつつも、スティークは部屋を後にしたのだった。




ふたりきりになった部屋で先に口を開いたのはリヴィアだった。



「ヴェルヌ様…」



口元に笑みを浮かべると、リヴィアはゆっくりとヴェルヌに近づいた。



椅子に座り頬杖をついたままの姿勢のヴェルヌに、リヴィアは後ろからそっと抱きつくとヴェルヌの耳元で囁いた…



「ヴェルヌ様…私、決めましたわ…」

「何の事だ?」

「前に…ヴェルヌ様が言ってた事…」


―――――


真っ暗な部屋の中で、ふたりの影が重なっていた。



行為が終わるとふたりは寄り添いながらベッドに横になっていた。



「リヴィア…」



リヴィアのサラサラの金髪を指に絡めながら、ヴェルヌがそっとリヴィアに言った。
< 70 / 126 >

この作品をシェア

pagetop