いちばんの星


――――――


「ラナ!」



仕事中のラナの元へ、スティークが駆け寄ってきた。



「スティーク様…」



泣いたのか、目が腫れているラナを見て自分が聞いた話は本当なのだとスティークは直感した。



「ラナ…ちょっとこっちへ」



彼女の肩をそっと抱き廊下の端へ連れて行くと、我慢の限界だったのか、ラナの目からポロポロと涙がこぼれ落ちた。



「スティーク様…ミュリエルが…」



やはり…ミュリエルが出て行ったというのは本当だったのか…



スティークは不思議で仕方がなかった。



ついこの間ヴェルヌとミュリエルは結ばれたばかりで、なぜ城を後にしなければいけないのか…



(これは…聞いてみる必要があるな)



ラナを慰めた後、スティークはある場所へと向かった。
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