奉公〜咆哮1番外編〜
「この度は余の道楽に付き合って貰って有り難う、心から感謝している。」

「いえ、こちらこそ楽しかったです」

「エンジョイさせて貰ったっすよ!」

 栗原か、忘れてた。こいつを忘れる程エンジョイしてたのは、何を隠そう俺自身だ。

「ごらんの通りの騒がしさだが、理由は察しが付く。
 恐らく、父上が逝ってしまわれたのだろう」

「ご尊父が逝去なさったんですか……
 え?
 ラマネリ国王がご崩御ですって?」

「うむ、長い間患っていてな。
 ここのところ小康状態になったので、ロタリパは気晴らしに日本へでも行ってこいと父上が仰ったから来たのだ」

 俺達は言葉に詰まって二の句が続かなかった。

「これからはラマネリ王国の王として政(マツリゴト)に取り組まなければならん。
 おいそれと国を空けることもままならないだろう」

 頼りなげでいい加減、わがまま放題の放蕩息子だと思っていたロタリパ王子は、俄かに凛々しく、威厳を持ってそこに立っていた。

「いい思い出になったよ」

「王子、いやロタリパ王!」

「はっはっ、まだ戴冠式が済んでないから王では無い。
 今日はここでサヨナラだ、また会えるといいなぁ」


∴◇∴◇∴◇∴


 翌朝を待たずに王子は帰国した。

一週間後戴冠式は行われ、ロタリパ王が正式にご即位された。


∴◇∴◇∴◇∴


 その頃ラマネリでは……。

「やっぱりお持ち帰りしておけば良かったなぁ」

 ロタリパ王が栗原と一緒に買った、ハマ○のラジコンで遊びながらこぼしている。

「でも楽しかったな、一号」

 玉ねぎ一号は夏葉で買ったうんちのガシャポンを選別するのに忙しそうだ。

「一号!」

「はっ、国王陛下。お呼びになられましたか」

「うむ、呼んだだけだ」

「……陛下ぁ〜っ!」

 常春の島ラマネリに、いつもと変わらぬ平穏が訪れていた。





『奉公』
〜咆哮番外編〜


《完》


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