地味女×イケメン男子




始めて自分が誉められた。

本当に嬉しかった。


『地味じゃないー…』


その言葉がなにより嬉しすぎて、自然と涙が出ていた。



久しぶりに流した涙。





みんなは彼の言葉と、私の感情を出した涙を見たことで驚いていた。




男の子は床に座り込んで泣いてる私に手を差し伸べて、

『もう大丈夫だよ』


と言ってにこっと笑った。





私にも仲間がいた。


すぐにでも彼の手を握って立ち上がりたかった。



でもなんだか駄目なような気がした。




あの子は人気者。

私と関わってしまったら周りがどうなるか分からない。



どうせ仕打ちを受けるのは私だけど、そのまま気にせず握れば良かったのに、



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