香る紅

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「一言言ってやりたいのはよくわかるけど、今緋凰に会って喧嘩になんかなったら、織葉が心配するぞ?」

「・・・。」

それはやだな。

実紘は、私がそう思ったのを見透かして、授業終了後、早すぎて人がいないことをいいことに、昇降口で私を抱きしめてきた。

「織葉の見舞いは明日以降にして、緋凰に一言物申すのは明日にして、今日はとりあえず、落ち着け。」

とりあえず、黙っていうことを聞くしかないかしら。

織葉に心配させるのは嫌だから。

緋凰には一発蹴り上げてやろうかしら、そんなことくらいは考えるの、許してほしいわ。



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