猫は太陽が好きなんだ
「あ、あのー。」

「何?」


理子に抱かれている夏樹。
落ち着かなくて耳がピクピク動いている。


「俺、歩くから・・・。」

「え、良いよ、疲れるでしょ?」


優しいのか猫好きなのか物好きなのか。
この先の不安と緊張が交じり合う中、理子は足を進める。


「私の家の近くにはね、施設があるの。」


“施設”と言う言葉に反応してしまう。


「施設・・・?」

「うん、親が居なかったりする子供が住む所なんだけどね。」

「近いのか・・・・・・。」

「近いよ。私の家の裏にある坂の上にあるの。」


施設では1人でいつも居た。
学校での苦しみを施設内での自室でなんとか紛らわしていたんだ。


ずっと昔の事の様に思える生前の記憶。
夏樹はそれを頭の中で再生していた。



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