時計仕掛けの宝石箱
「‥この任務、請けてもらえるかな?」

「もちろんです、ハロルド様」

「「「真実の扉の名の元に、守護者としての使命を果たす為、命を賭し、身を捧げて戦う事を、ここにご誓い申上げます」」」

「‥‥‥ありがとう、みんな」

幾つもの感情を顔に絡め、彼は立ち上がった。

そのまま歩き出そうとしてからふと立ち止まり、ほんの少し逡巡した後に憂いを秘めた笑みを見せた。

「‥決して‥。

いや、必ず無事に戻ってくるんだよ。

‥幸運を祈ってる。気をつけてね」

「「「「はっ!」」」」

四人の声が黒石の壁に反響し、それが全て静まった時には、すでにハロルドは消えていた。

幹部達は頭を上げ、それからゆっくりと立つ。

事は一刻を争う状態と知ったからか、四人はそれぞれの想いをうっすらと表情に出していた。
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