時計仕掛けの宝石箱
「え?」

蜜羽の戸惑った視線を自分に向けられて、響也は引き継いだ。

「ですが赤城先生はまだいらっしゃってません。
すでに始業ベルが鳴ってから十分は経っています。
それなのにまだ見えないのですが」

会話の相手が響也に変わった途端、
教師の目が僅かに嫌悪の色を宿した。

響也に気付かれる事が前提での表情だろう。

しかし、響也はなに食わぬ顔で流す。

「そうは言ってもなぁ。赤城先生は元気だったし‥」

言い方にも若干棘を含ませている。

本当に鬱陶しいと、つくづく思った。

「突然体調を崩されて保健室にいるとかは?ないでしょうか?」

「それならこちらに連絡が‥あるだろう」

微妙な間は、気のせいではない。

教師が少し青ざめているところを見ると、良い事を想像したわけではないようだ。
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