寺子屋恋物語
Oh!活火山
聖癖村の寺子屋では、二時間目のエゲレス語の授業が行われていた。
「りぴーとあふたーみー、あいあむせっくるべりーまっち!」
教鞭を振るう由香子の言葉を、生徒たちが感情の無い声で復唱する。
「発音や良し。何か、質問ありや」
そう言って由香子が生徒たちを見回すと、女子生徒のアリエッティが右手を高々と上げた。
「先生、克己くんが、授業中にも関わらず簿ッ記していまふ」
「克己くん、それはほんとふですか」
由香子が三角の眼鏡の奥から鋭い視線を克己に向けた。
「はひ。先生の、ヒツプラインの露骨なるタイトスカートを見るにつけ、血潮の膨張、おさまるを知らず」
克己は背筋をしゃんと伸ばして答えた。

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