やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】

「・・・わかりました。すぐに幹部に連絡致します。」



執事も真木ヒナタと同様に部屋を出て行った。



「サブ、小夜の護衛として連れて行ってやるから、準備してこい。」



組長は、サブにも命令する。



「わ、わかりました。」



サブも部屋を出て行く。



部屋に残された私にゆっくりと組長が近づくと、私に拳銃を渡して言った。



「小夜、これを持っとけ。・・・もし、殴りこんで、鮫田組が小夜の両親を殺した犯人だったら・・・・・遠慮せずに撃っちまえ。」



「・・・・こ、これをですか?」



私は、拳銃を持った手が震えるのを感じた。



「ああ、お前には、撃つ権利がある。・・・・大丈夫だ。撃った後のことは、俺がうまくやってやるから。」



組長は、私の耳元で優しく語りかけてきた。



しかし、私は、組長が、優しく語りかけてくれているにも関わらず、その言葉には、怖さしか感じなかった。




< 165 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop