やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「そうだよな。サブとか。」
真木ヒナタが口を挟む。
「俺ですか!?・・・俺は、いたって普通の人間だと思いますけど・・・問題児でいいです。」
真木ヒナタに睨まれたサブ。
自分の意見を押し通せず、真木ヒナタの視線に屈する。
「異議あり!! 」
この部屋にいる人物で私でもなく、執事でもなく、真木ヒナタでもなく、ましてやサブでない誰かが、異議を唱えた。
「・・・・最初に言っておきますが、私が許せる問題児の数は、2人までです。・・・・3人目は・・・言わなくてもわかりますよね?」
執事が、綺麗な黒髪をかきあげながら、少しけだるそうな表情でポチを見つめる。
「・・・・・・いえ・・・あの・・・その・・・アッシが思うに、女性の・・・いや、アッシのボスである極上美人の小夜姉さんに執事見習いというのは・・・その・・・」
「何が言いたいのですか?」
「・・・執事は、男の仕事じゃないですか・・・ですから、小夜姉さんには、この・・・メイドで。」
ポチは、顔を少し赤くしながら、背中からメイド服を取り出した。