いつでも逃げられる
嫌悪と戦慄に身を硬くしながら、男の手の感触に耐えていると。

「あ」

男が声を上げた。

「加奈子ちゃん、服が濡れてるね…駄目だよ、このままじゃ夏でも風邪を引いてしまう」

彼は咄嗟に私から離れる。

「ちょっと待ってね。服を脱がせてあげる」

「!?」

ちょっと…嘘!

顔が青くなる。

こんな知らない…しかも変態のストーカー男に服を脱がされる?

私が動転しているのを知ってか知らずか、男は何やらゴソゴソとやっている。

…やばい。

このままだと私、この男に犯されるかもしれない。

幸い私は足まで拘束はされていなかった。

逃げるなら今だ…!

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