政略結婚
「最低だな」


叔父の家を傾けさせれば、こうなることはわかっていた。


以前、綾香は叔父には返し切れないほどの恩があると言っていた。


その気持ちを利用すれば、決して心は手に入らないことは百も承知している。


もともと、嫌われているのだ、他の男にとられるくらいなら、そんなものいらない。


この先、俺の気持ちを打ち明けるつもりはない。


俺の気持ちを知れば、綾香のことだから、俺の気持ちを利用したことを悔やんで、離婚を切り出すはずだから。
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