【長編】距離
「朱菜、作ってくれた?」


お母さんの明るい声。


しかも、チョーウキウキ。


なんか、あった?


「えっ?
うん。
後は、テーブルに並べるだけよ。」


こっちが戸惑うよ。


「修もいるから、お願いね。」


お母さんは、ふらっとどこかに行った。


着替えるのかな?


お父さんも後に付いていった。


まあ、いいや。


料理を並べなきゃ。


私は、修に気にせず料理を並べた。


「朱菜、手伝うか?」


「えっ?」


ふいに修を見ると笑顔だった。


なんで?


「手伝うよ。」


そう言って、私に近づいてきた。


「うん。
ありがとう。」


「いや。
てか、朱菜の手料理初めてなんだけど。」


「そうだっけ?」


よくよく考えればそうよね。


お母さんが料理好きだから。


私は、必要に迫られなければ作らないから。


料理は、教わるけど、一人ではって事。



「クリームシチューにオムライスか....
うまそう。」


修の喜ぶ姿を見ると嬉しくなる。
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