【長編】距離
「初めてつき合ったのは、中1の時。
人気の男の子でね。
みんなに秘密でつき合ってた。
たぶん、秘密に惹かれたの。
けど、彼の転校で終わったの。
そのときね。
『距離置こう』
って、初めて言われた。
それが、始まりだった。」

「はじまり?」


修は、首を傾げた。


「うん。
それからつき合う人みんなに言われたわ。
『距離置こう』
って。
この前ね。
その理由がわかったんだ。」


すべて、私のせい。


「なに?」


「私が好きじゃないってわかってたから。
私は、修を忘れるのに必死で気づかなかった。」


修は、私を抱きしめた。


「それに、初めての彼氏がね。
転校して戻ってきたの。」

「えっ?」


修は、抱きしめた腕を離し私を見つめた。


「戒って言うんだけどね。
戒は、私が修を好きだって気づいたの。
それに、幸せになれって。」


「俺が、朱菜を幸せにする。」



「ありがとう。」


私は、修に抱きついた。
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