【長編】距離
「そうだな。
孝知には、関係ねぇ。」


これ以上深く聞かれたら、マズい。


『はいはい。
てか、明日とか会うのか?』


「あっ。
あぁ。
一応、初デートだ。」


『ほぉ。
なら、早く寝ないとな。
遅刻なんかしたら、かっこつかないぞ。』


絶対、電話の向こうでニヤニヤしてる。


「わかってるよ。
そんなミスするわけないだろ?」


『普通は、そうだろうけど。
修にしては、初の初だろ。』


バカにしてんのか?


「てか、朱菜と出かけんのは、初じゃねぇーから大丈夫だ。」


そうだよ。


そんなに気にすることはないんだ。


『甘いな。
彼女になったんだぞ。
今までとは、違うんだぞ。
朱菜がどう思うかわからないけど....
今までのままでいいって子と変化を求める子がいる事を忘れんなよ。
後....』


「あぁー。
わかってるよ。
もう寝るからじゃあな。」


俺は、適当に孝知の話を終わらせて、電話を切った。


こん時、ちゃんと聞いておくべきだったのかも知れない。
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