【長編】距離

× side

「やっと、見つけた。」


ある男が呟いた。


「えっ?
どうかしたの?」


一緒にいた女が不思議そうに聞いた。


「今、弟がいた。」


男の視線は、修に向いていた。


「弟?
だって....」


女は、戸惑っていた。


そして、男が見ている視線の方に目を向けた。


「幸せそうで、ムカつく。
全てを壊してやりたい。」

男は、修を憎んでいるようだ。


「ダメだよ。
家族なんでしょ?」


「あぁ。
けど、俺だけが施設に預けられた。
ずっと、待ってたのに迎えに来なかった。」


「けど、よく見ただけでわかったね。」


女は、不思議だったみたいだ。


そりゃ、そうだろう。


何年も会ってない家族がわかったんだから。


「記憶と写真の中の父さんにそっくりだったから。」


「ふ〜ん。
じゃあ、確かめよう。
それから、考えようよ。」

女は、復讐だけはさせたくなかった。


けど、このまま行けば、男が復讐するのは見え見えで。


とりあえず、知りたかった経緯を。
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