【長編】距離

朱菜 side

「あの美弥さんって....」


「.....さん付け苦手だから、やめてくれないかな?」


美弥さんが苦笑い。


「でも、年上ですよね?」


「今、20歳よ。
亮もそうよ。」


「そうなんですか?
私は、17歳です。」


「そんなに違わないから、呼び捨てでいいよ。
敬語もやめましょ?」


「そうですか?
じゃあ、遠慮なく。
けど....
やっぱ名前は....
美弥ちゃんで。」


「じゃあ、私も慣れるまでは朱菜ちゃんで。」


私と美弥ちゃんは、少し和んだ。


「美弥ちゃんって、妊娠してますよね?」


「えっ?」


美弥ちゃんは、吃驚していた。


「美弥ちゃん、お腹気にしてたし、亮さんの気遣い方が.....
なんとなく、そう思ったの。」


「ふっ。
スゴいね。
さすが、女の子。
今、6ヶ月よ。」


美弥ちゃんの笑みは、幸せで満ちあふれていた。


「幸せそうでいいですね。」


私のこの言葉で美弥ちゃんの笑みが消えた。


なぜ?
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