【長編】距離
俺は、綾先輩に誰もいない空き教室に連れてこられた。


「ごめんね。
で、話ってのはね。」


俺を上目遣い気味に言ってくる。


これが、朱菜なら。


俺って、さっきからそればっかだな。



「なんですか?」


ちょっと、冷たい感じに。


もし、告白なら気をもたせらんないし。


「.....私、修くんが好きなの。」


予想通り。


「すみません。
俺、好きな人いるんで。」

即、断った。


「それは、朱菜ちゃん?」


「先輩は、朱菜を知ってるんですね?
はい、俺は、朱菜が好きです。」


俺は、包み隠さなかった。


「やっぱ、そうか。
朱菜ちゃんは、修くんの事なんとも思ってないみたいだったけど?」


「そうですか。」


別に仕方ないことだ。


「驚かないの?
私、聞いたんだよ。
告白しても大丈夫か。」


何が言いたいんだろう。


「俺と朱菜の事を知らないのに関係ないでしょ?」


俺は、ちょっと切れ気味だった。


朱菜の行動が正しいから。
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