スイート*ハート~絆のラブリーDAYS~




先生はカーテンから手を放し



私の肩に両手を置いて
諭すように言った




「オレは絆が大切だ」



私は首を横に振り



「わからないよ。
はっきり言ってくれなきゃ
わからない。

先生は私のこと好きじゃないの?」



「はっきりとは言えない。
オレがはっきり言ってしまえば
絆の心も縛ってしまうから」




「そんなのズルいよ」



「絆。今、キミはまだ子供で

これから将来もある。

場合によってはオレの存在が
絆の足枷にもなるんだよ」



「そんなことない!
私は先生とずっといたいよ」



先生が私の足枷なんて


そんなわけないよ




「うん。絆の気持ちは嬉しいし
オレだって絆が大切なんだ

だからね、絆

今は焦らないで
このままでいよう?」



…………このままって何?



「恋人とか、そういうの抜きで

会いたくなれば、
いつだって会えるし

オレが絆の邪魔になるようなら
今度こそ、きちんと別れよう」



邪魔だなんて
なんで そんな…………



「絆が他に好きな人を作るのも自由だし

それは、オレも同じくだよ」




……………ねえ、先生。



だったら私は先生の何?




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