スイート*ハート~絆のラブリーDAYS~




…………ダメだ。


心が狭くなるよ…



先生は私を大切にしてるから


先生は大人だから………


頭ではわかってるのに


まだ一緒にいたいって気持ちが
私の心を支配して



他のことが考えられないよ




「………きぃ?」


うつむいた私の顔を
先生がのぞき込もうとする


目には もう たくさん
涙がたまってた


先生には見られたくなくて
思いきり顔を背けて


「……ご、ごめんなさい
また困らせて……」


顔を隠したって
涙声じゃバレバレだ


「きぃ、
本当に今度どこか行こうな?
だから………」



私は コクコクうなずいて
ドアを開けて車を降りた



「今日は……
ありがとうございました」


ペコッと頭を下げてドアを閉め
走って家の中に入った。




靴も脱がないで
玄関に座り込む。



…………ブォォ……

ドアの向こうで
車の走り去る音が聞こえた。




………まだ一緒にいたかった



すごくすごく楽しくて
すごくすごく嬉しかった



先生といる時間はいつも
あっという間に過ぎるから



今夜はもっと一緒にいたかった



「………うぇ………」


顔を覆って泣くと


「きゅーん、きゅーん」


背中から寂しげな声


「ふ、藤く………」


振り向いて
私を見上げる
藤くんの目を見たら


「寂しかったよ絆ちゃん」


そう言ってるみたいで


「ふ……藤く~んっ」


ガバッと藤くんに抱きつき
玄関でわんわん泣いた。




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