スイート*ハート~絆のラブリーDAYS~




テーブルにふたり向き合い



「いただきます」と
カレーを食べる



やっぱりカレーのスパイシーな味に負けてジャムの甘さは感じられない。




黙々とスプーンを口に運ぶと




「絆」



先生は真剣な顔で私を見た


私もスプーンを置き
先生の目を見つめる



「絆。
オレは絆に可哀想なことを
してるのかも知れない」


やっぱり夕べのことだ


そういえば、前にジャムカレー
作った時もさよならしたんだ



「オレは絆の気持ちを知ってて
はっきりとしたことを避けて
こうやって会うのはズルいかも知れない」


「そんなこと……」


ズルいなんて そんなこと
会えなくなったら
私 堪えられないよ



「オレは今以上のことは
出来ないんだ」


先生は少し苦しそうに
眉をよせた


「これがお互いに大人だったら
お互いに学生だったら違うよ

だけど[もしも]なんてないんだ
オレは46の大人だし
絆は16の子供だ

これ以上の付き合いを
出来ないんだよ」



わかってる


わかってるの 先生。


だけど気持ちが感情が
うまくコントロール出来ない



私は先生みたいに器用じゃない




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