スイート*ハート~絆のラブリーDAYS~




ぐすっ………鼻をすすると



「きぃ…泣かないで?」


先生が私のベッドに座り
ぎゅうって抱きしめた



優しく髪を撫でて
なだめようとしてる



すっかり いじけた私は


「嫌いなんだ、嫌いなんでしょ
いいよ、離して
無理に抱きしめて
くれなくていい」



先生は困り果てた声を出す



「違う、ごめん、違うんだ」


なにが違うのよ………


はぁ………って
ため息ついてから
先生は抱きしめる腕に
力を込めた




「少し、怖いんだ」


先生がいつもより低い声で



「抱いたら、冷静じゃ
いられなくなるって
分かるから」



冷静じゃいられなくなる?



「雪崩に飲まれるみたいに
絆に……夢中になるって
自分で分かるから……
少し、怖くて不安」



きゅう……って
胸が絞られるみたいで



もう、ダメだ。


何も考えられない


離れられない…………



先生の背中に
きつくしがみついて



「……ちゃんと……
私を奥さんにしてください…」



震えた小さな私の声が
寝室の青い闇に溶けると



先生は腕をほどき

私の頬を両手で包み

優しく唇を重ねた





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