*ハナコイ*


そしたらみるみるロゼアの顔が赤くなって…



あ、髪の毛にバラの花びら…



「お…王子様は本当にバラが好きなんですね」



立ち上がって少しずつ移動しながらそういうロゼア。



もちろん、花びらは付けたまま。



「うん…好きだよ。ロゼアもバラが好きなんじゃないの?」



俺がそう言うと、彼女はこちらを振り返り満面の笑みで答えた。



「ええ。私もバラが一番好きです」



月の光に照らされたロゼアの笑顔はすごく綺麗で、まるで庭に咲く本物のバラみたいだった。



「やっぱり」



俺はロゼアの髪の毛についたバラの花びらをとってあげようと彼女に近づいてそっと髪に触れた。


そしたらロゼアは真っ赤な顔してぎゅっと目をつぶった。



うわ…なんか可愛いかも。



一瞬俺は目の前のあまりにも無防備な彼女に、本気でキスしてしまいそうになった。



でも…
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