*ハナコイ*


なんだか彼女とは最初から初めて会った気がしなかった。



そんな事本人に言ったらよくある誘い文句みたいで嫌だったから言わなかったけど…



そんな事を考えているとふと部屋に飾ってあるバラの花に目が止まった。



「バラ…か」



なんだかロゼアってバラみたいだ。



バラを見ている時とロゼアと話してるとき、なんとなく同じような気持ちになる。



そして…触れたくなる…



そこまで考えるとなんだか照れくさくなって、使用人に頼んでいれてもらったお茶を飲み干すと寝室へ向かった。



『明日もまたきてくれますかっ?』



帰り際に聞いたロゼアの声…



結局振り返らずに帰ってきてしまった…



「泣いてたりして…」



ベッドに横になり、天井を仰ぎ見ながら俺はロゼアの姿を思い出していた…
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