オレンジの教室
「なぁ、どっかよってかねぇ?」
ある日の帰りであった。
いつものように部活を終え、部室を出た辺りで塩田が言った。
「おっ、いいね~!
俺、牛丼食いてぇ」
タケがいつもながらのテンションの高さで言う。
「やだ。
俺、ラーメンがいい」
塩田が負けじと、応戦する。
俺はというと、どっちでもよくて、腹さえ満たされればそれでいい。
だが、塩田とタケがラーメンだ、牛丼だ、と言い争ううちに、学校の正門をくぐり抜けた。