大人の女と男の関係
はあ?


私が?


でも……、断る理由はない。


私は引きつり気味の笑顔でそれを受け取り、千佳ちゃんを横目で睨んだ。


千佳ちゃんは、すました表情でカクテルのストローを吸っていた。


私は千佳ちゃんを誤解していたのかもしれない。


千佳ちゃんは時々、その場の誰もが避けるような話題を、平気で言い出すことがある。


それでも彼女は普段明るくて飾らない素直さが皆に好かれているので、疎まれるようなことはなかった。


私はそれを、KYだけど憎まれない得な性格、と思っていたのだけれど。


ひょっとすると、すべて計算ずくなのかもしれない。


千佳ちゃんとは一度、腹を割ってとことん話してみようと心に誓いながら、私は招待状をバッグにしまった。




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