田舎の王子様~照れ屋な俺様
一瞬気まずい空気が流れたけど、お母さんがいたから…まだマシだった。


「未紗~、コータくん呼んだの私だから。しんどい時ぐらい素直になんなさい?」


「さ、行こーぜ」


コータは何もなかったように、玄関を出て行った。


舌打ちしたい気分だよ。


お母さん、余計な事しないでよねぇ。


「行って来ま~す」


「行ってらっしゃい!」


ふてくされて玄関を出ると、コータが自転車のペダルに足をかけていた。


「ほら、乗れって」


「…いい。一人で行ける」


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