二度目の初恋
廊下でキャーという声が聞こえる。

ミッくん…かな?

アタリだ。

「おはよう」

「おはよう、ミッくん」

「あのさ、お前」

「ん?」


そう言うとミッくんは私に近寄って、こう言った。

「人前で『ミッくん』つーの、やめてくんない?」

「は、は、はい!」



そっか。
やっぱイヤだったんだ…。



「じゃ、なんとお呼びすれば?」

「いきなり敬語かよ?分かり易いな、お前。
充琉でいい」

「充琉サマ?」

「サマ、は要らん」

「充琉、って? 
よ、呼び捨て?」

「ああ。 俺も深紅って呼ぶから」


一瞬、ボー然としちゃったけど…


「了解」


今までずっと『ミッくん』って呼んでたのに
今日からは『充琉』?
なんかドキドキしちゃうよ…


「…って事で、川上。お前も充琉って呼べよな?」

「えっ!? えっ!? 私も王子を呼び捨てにしていいの??」


麻由ったら慌てちゃって、カワイイ。


「お前は深紅の親友だろ?だから許す」

「じゃ、私の事も麻由って…呼んでいただけます?」

「分かったぞ、麻由」


麻由の目がハートになってる(笑)

ねぇ、麻由。
充琉が私たちの事を親友だって!


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