二度目の初恋
美也サマが連れて来てくれた場所は
こじんまりとした可愛いお店だった。
大通りから外れているためか
あまり人の出入りがない。
でも常連さんに愛されている雰囲気が溢れたステキなお店だった。

「カワイイお店だね」

「女の子が好きそうだろ?」

「ふ~ん、そうやってナンパしてるんだ」

「失礼だな!
俺がいつナンパしたっての?」

「ごめん、ごめん。
ナンパしなくたって
美也サマのところには女の子が集まってくるよね」

「なぁ」

「ん?」

「前々から気になってたんだけど」

「何?」

「その…『美也サマ』つーの
やめてくんない?」

「だって『美也サマ』は『美也サマ』だよ?
私の中では絶対だもん」

「だけど充琉の事は呼び捨てじゃん」

「あ…そっか」

「俺たち友達でしょ?
なんで俺にだけ『様』が付くんだよ」

「そっか、そう言われたら…そうかも(笑)」

「笑い事じゃね~ぞ」

「じゃ、何とお呼びすればよろしいですか、王子」

「お前な~!」


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