そして秘密の時間(とき)を共に
私、やっぱり、淋しかったんだ。

学校では遠めで見ている事が多くて、誰かと楽しそうに話している場面に遭遇すると、本当はその輪に混じりたいくらいなのに、素通りしなくちゃいけなくて……。

今は私の手の中に居る。

幸せ過ぎて、涙が出てくる。

頭がクラクラして、何も考えられなくなってきた時。

涼の唇が離れ、私を抱き締めていた腕が緩んだ。



やだ、離れたくない。

ずっとこのまま、傍に居たい。



私は無意識に、両手でギュッと涼の服を握り締めていた。

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