そして秘密の時間(とき)を共に
「今日は、もう帰る」

私はそう言って、イスから立ち上がった。

すると、涼はクスッと笑った。



「何? なんで笑うの?」

「いや、それでこそ『俺が惚れた美雪』だなぁ、と思ってさ」

「はぁ? 何、それ」

涼は相変わらずクスクス笑いながら立ち上がり、隣りの部屋に行って車のキーを持って来た。



「まぁ、気にすんな」

「気になるでしょ?」



『俺が惚れた美雪』って、どんなとこ?

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