そして秘密の時間(とき)を共に
「そう言えば」

涼は答える気がないようで、話しをそらした。

「今、結構偉そうな事言ったけどな、そうでもなかったりする時もあるんだ」



えっ?



「おまえ、男子バスケ部のみんなに、下の名前で『美雪』って呼ばれてるだろ?」

「あっ、うん。お兄ちゃんが居るから、名字で呼び捨てるとお兄ちゃんを呼び捨てしているようで嫌だ、って言ってね」



でも、それがどうしたの?

首を傾げている私の横を通り過ぎ、涼は靴を履く為、私に背を向けてから言った。

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