そして秘密の時間(とき)を共に
その時。



ブー

会場にブザーが鳴り、開演10分前を知らせるアナウンスが流れた。



「あっ、パンフ買い忘れた。ちょっと見せて」

涼は思い出したようにそう言って、私の方に手を差し出した。



「涼って、演劇とか興味あるの?」

私はフッと疑問に思って、パンフレットを渡しながら訊いてみた。



だって、てっきり私に付き合って、今日は観に来ただけかと思ってたから。

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