そして秘密の時間(とき)を共に
「美雪、もうすぐだね」

真実が小声でそう言いながら、私の隣に来た。



「真実―、なんでそんなに落ち着いてるの~?」

「だって、私、美雪と違ってほとんどセリフ無いし、長いセリフも無いから、間違える心配無いもん」

「でも、舞台でコケたりするかもしれないじゃん」

「そんなの分かんないでしょ? その時考えればいいじゃない」

「それはそうだけど」



でも私もドキドキと緊張しているけど、この待ち時間は嫌いではなかった。

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