そして秘密の時間(とき)を共に
名残惜しかったけど、切りが無いので、私は腕を離した。



「じゃぁ、帰るね」

「ああ」

「また明日……学校で」

「ああ、気を付けて帰れよ?」

涼はそう言ってから、ハッとした。

そして。



「おまえ、帰る時、ここの鍵、自分の鍵で閉めて帰れよ」

「えっ?」

「今日は俺が居ないから、開けられなかったんだろ?」



あっ、やっぱり涼にはお見通し。

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