遠距離、恋愛。-二人の距離-
お付き合い
助手席には当然トモ。

このために、普段は電車通勤なのに今日だけ車で出勤したんだから。

そのことをさりげなく伝えると、耳を赤くしてうれしそうにしているトモがかわいい。

車内は思った以上に盛り上がり、あっという間に目的地の居酒屋に着いた。

車を降りて助手席側へ回ると、自分で車を降りたトモの手をぎゅっと握った。

「え、ちょ、コウタ?」

振り払われたらどうしようなんて考えながらも、そのまま平静を装って店の中へ。

あとから入ってきた大野さんたちを見ると、同じように手をつないでいて、ちょっとだけ安心した。

4人掛けのテーブルに通され、いくつか料理を注文する。

車で来た俺は当然ノンアルコールで。

皆も遠慮してお酒は飲まないと言ってくれたけど、俺は帰ってから飲めばいいからと皆にはアルコールを。

しばらくして、一通りそろってから乾杯をした。

「お二人は仲がいいんですね」

甘そうなチューハイを飲みながら、トモがマユさんに問いかけていて。

ふと見ると、顔を赤くしたマユさんの頭を、愛おしそうに大野さんがなでていて。

いいなぁ。俺も、トモの頭をなでたい・・・。
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