危険な彼女
「なっちゃん、焼きそば追加でお願いね」



「了解、ちょっと待ってろよ」




そう言ってささっと焼きそばを紙の皿にのっける。



はみ出さないように、尚且つ美冬に指示されたくらいの量を盛った。



それを、ほいっ、と亜紀に手渡す。




「焼きそば、まだ熱いから気をつけて運べよ?」



「うん、わかった」




ニコッと笑う亜紀。



亜紀はさっとカーテンを抜けると、客のもとへ焼きそばを運んでいった。



何となく足取りが覚束なく、今にもこけそうでひやひやせられる。




「大丈夫かよ、亜紀のやつ…」



「あんたもね」




その言葉に反射的に飛び退く。



いつの間にか、目の前には美冬が立っていた。



どことなくご機嫌ななめである。




「な、何だよ…?」



「オーダー入ります。

焼きそば三つ。

フランクフルト二つ

クレープ三つ。

コーラ四つ。

オレンジジュース二つ」



「え、あ………


………な、何だって?」



「………全く、あんたが厨房にいるとほんと心配だわ」




美冬はぎらっと奈津をひとにらみすると、バンッと奈津の顔面にオーダーを貼りつけた。
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